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インタビュー④

〈紹介〉Dr.Kawamura

[氏名] 川村 暁さん
[所属] 岩手大学情報基盤センター
[役職] 准教授
[専攻] 電子情報工学専攻[i]
[修了年月] 2002年3月
[趣味]
・読書(地中海の歴史,特に,ローマ・東ローマ帝国に興味あり.ローマ帝国衰亡史(Gギボン),ローマ人の物語等(塩野七生)はよいと思います.)
・トランペット(中学時代に吹奏楽部で始めました.いま,昔の仲間で月に一度あつまり,楽器を吹くことを再開しています.)
[今やりたいこと]
できれば,再びイタリアに行ってみたいです.学会で一度いったのですが,書籍を通じて得た知識が非常に役に立ちました.マイナーな遺構などを見てみたくて仕方が無いですね.前回は,とくに,ラヴェンナのローマ末期・東ローマ(ビザンチン)の遺構を見ることが出来て大満足でした.

〈ご自身の経験について〉

・博士を取ろうと思ったきっかけは何ですか。

元々,計算機について興味がありました.父親が,小学校の頃にパソコン(NEC PC-8001mk2)を買ってきて,プログラミングに燃えたのが最初です.当時の計算機は能力が低く(8 bit CPU, clock:4MHz, メモリ32Kbytesというような性能.現在は,32 or 64 bit CPU, clock:数GHz,メモリ数Gbytes),何かするにはマシン語などを使ってICをたたく必要がありました.これで,自分のプログラムで計算機(≒ハード)を操る事の楽しさを覚えました.BASIC→マシン語と覚えました.

学部時代は,計算機(電子機器)を支える材料を取り扱う,岩手大工学部材料物性工学科に進みました.(ちょうど世間で,電子立国日本とかいわれていた頃です.)しかし,計算機への興味が薄れず,大学院(修士)から情報工学専攻に転科しました.

修士課程で,三浦研究室[ii]にて(人工)ニューラルネットワークの研究に携わり, 研究のおもしろさを知りました.他の人がやっていないこと,基本的なことだけれども解明されていないことに取り組む方法・態度を学び,このまま研究職に進めればと考え,博士課程への進学することにしました.

学部が情報工学ではない,ほかの学科だったことは考え方の幅の広さとなるのだと,現在強く思っています.世の中では,何が役立つのかは分かりませんので.

・修了後の進路はどうやって決定しましたか。

指導教官の協力のもと,公募情報に基づき応募しました.今も昔も,博士課程の進路は厳しく,11月あたりに進路が決まった覚えがあります.

・博士の時にこうしたら良かったと思うことは何かありますか。

研究と趣味だった読書および実益を兼ねた趣味(研究室の計算用計算機の設定作業は,今につながっていますー現任校にて,情報教育用計算機システムの選定に携わっています.UNIX, Linux, ネットワークの知識は重要です)は,十二分にしておいた方がいい,とは思います.

役に立っているのは,ハードの演習(論理回路の設計:FPGAを用いて)のTAのように,少し自分の研究から離れることもやっておくと,考え方の幅が広がると思います.ハードとソフトが理解できることは重要だと思います.

・大学側からのサポートや教育面で、もう少しあれば良かった、やってほしかったと思うことは何ですか。

とくに博士課程については,進路の支援をより強くすべきと思います.博士進学する者があまりいないのは,進路の問題も一因で最大かと思います.

私自信も日本育英会(今の学生支援機構)の奨学金を借りており,まだ残があります.博士課程まで進むと,順調にいっても27歳までかかるので,経済面も大きなネックになり得ると考えます.ずっと不景気(学部~大学院時代の経済的な出来事:ヤオハン破綻・拓銀破綻・山一証券破綻…)で,我々の世代が社会に出てからずっと景気は良くない(最近やっと,アベノミクスといわれておりますが)ため,現実という名のがん細胞はなかなか手強いと考えます.今の現役の方々も同様に経済面・進路面の問題は大きいのでは?と思っております.

また,私的な事項ですが,私は弱視なのですが,それでもなにも問題なく教育・研究を行い得たことは,岩手大学の懐の深さであろうと思っております.ありがたい話です.

(特に,修士課程~博士課程でお世話になった三浦研究室の皆様および,博士最後の1年間お世話になった安部正人教授ほか同研究室の皆様に深謝いたします)

・現在の仕事の中で博士課程時代の研究や経験が生かされていることはありますか。あるとすればどういったことでしょうか。

純粋な研究,ということであれば,三浦研究室に関連のあった先生である,情報処理センターの吉田等明准教授を中心とした企業との共同研究((株)P&Aテクノロジーズ,大井電気(株))に,いまでも参画していることがあげられます.これは,私が在学中にした事の発展系でもあるのですが,ゆめ県土岩手戦略的研究推進事業からの補助金により,情報セキュリティ製品を製品化することが出来ました.

(参考:岩手産業振興センターの記事 http://www.joho-iwate.or.jp/sangyo/back/0608/pdf/p04-05.pdf

また,前述したとおり,現任校において,大学の情報教育研究用計算機・ネットワークなどを選定する委員会におりますが,システム選定のコンペ,運営委員会などを滞りなく進めていくに当たり,研究室での経験は大いに役に立っています.

・その他になにかありましたらどうぞ

個人的に,学生生協はありがたかったです.各食堂(工学部食堂,中央食堂,農学部食堂)で味・メニューが違うとか,工学部食堂名物の焼きカレーとか.焼きカレーはよく食べていた,懐かしい味です.
研究室での行事も,良い思い出です.

〈博士学生へ一言〉

岩手大は,広い敷地,研究しやすい環境,多くの教官がおり,じっくりと腰を据えて物事するには適していると思います.

遊びというか,柔軟な思考も失うことなく(適度な趣味や,考え方の転換になる活動は必要では?視野狭窄はinnovationを生みにくいのでは?と思っているので),自らの課題に果敢に挑戦されますことを祈念します.
[i]平成2009年度改変前の専攻名
[ii]当時.三浦守教授