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インタビュー⑥

①博士課程への進学の動機

1989年、インドネシアで高校を卒業後、インドネシアの政府派遣留学の募集試験に応募し、試験に合格したので、インドネシア政府派遣として日本に留学することになりました。当時、私の専門分野は金属学だったので日本の文部科学省の推薦で、岩手大学工学部金属工学科に入学しました。4年生の時、吉澤研究室に入り、極低温物性の研究に励みました。1995年、金属工学科を卒業後、修士課程への進学試験を受け、修士課程へ進学しました。修士課程の2年次の時、文部科学省の奨学金を受け、修士課程を修了後もそのまま博士課程への奨学金を受けることができたので、博士課程に進学しました。

②博士課程中の話

博士課程では吉澤先生と中西先生の指導で単結晶作成と物性研究を行いました。私は高校卒業後の1990年にすぐ来日し、学士と修士課程を経て、1997年に博士課程に進学しました。そのため、博士課程の日常生活では特に問題はありませんでした。ただ、博士課程での研究は修士課程と違い、日夜研究に励まなければならないです。

最初の1年で単結晶作成がなかなかうまく進まなかったので、吉澤先生と中西先生にいろいろ相談して頂きました。2年目の時、対象物質を変えることも大きな決断でした。1年目の経験を活かし、ようやく単結晶を作成することができました。3年目に入り、単結晶評価の成果が足りず、博士課程は4年目に入ることになりました。中西先生は超音波測定実験などに大いに指導していただいて、吉澤先生は実験成果について相談・指導していただいて、ようやく4年間で博士課程を修了することができました。

③帰国してからの事

日本への留学は、インドネシア政府派遣としての留学でしたので、2001年、帰国したとき、インドネシア政府の研究機関LIPI(Indonesian Institute of Sciences)の下にある金属研究所(P2M)に配置されました。自分の職場であるP2Mの研究分野は、特に金属腐食現象対策技術と鉱物抽出技術と金属加工技術です。そのとき、私はP2Mでの研究を同僚の人たちと一緒に永久磁石作成研究などに取り組みました。

P2Mでの研究以外にも、日本留学時身につけた日本語も生かされ、日本のJICAのインドネシアでの支援プロジェクトにも数多く取り組みました。JICAのカウンタパートはインドネシアの工業省と商業省であるので、JICAの専門家と一緒に中小企業に技術指導したり、商業分野での法規制整備の支援コンサルタントも行いました。

2006年、インドネシアではAdvance Materials and Nanotechnologyの研究に注目が入り、P2Mは国営企業PT Timah社(鉱山業企業で、銅と錫を生産する会社)と協力し、銅と錫の付加価値を上げるための研究に力を入れています。そのテーマは低温超伝導体(Cu-Nb-Sn)と銅酸化物超電導体作成の研究です。超伝導研究を強化するために、2012年にP2Mは国の予算で極低温と強磁場環境を実現するためにCryogenicとmagnetを導入し、2013年には電気抵抗測定装置システムを導入しました。これらの装置はインドネシアで初めて導入した装置で、これによりインドネシアで極低温強磁場物性の研究ができるようになりました。

最近、P2Mでは2015~2019年中期計画が作成され、その一つの大きな研究テーマとして超伝導研究開発が取り入れられました。これからはP2Mでの極低温強磁場物性研究の実績を積み上げ、吉澤研究室をはじめ、いろんな研究機関と極低温強磁場物性の共同研究ができるように頑張りたいです。